引っ越しが決まったとき、光回線には「移転(今の契約のまま引っ越し先へ移す)」と「解約して引っ越し先で新規契約」の2つの道があります。どちらが安いかは、今の契約に工事費の残債がいくら残っているかでほぼ決まります。
ところが調べていくと、肝心なところが公表されていませんでした。先にそこを書きます。
1. 先に結論:公式に確認できたこと、できなかったこと
確認できたこと
- 移転工事費の金額(ドコモ光・ahamo光・DTI光・ソフトバンク光)
- 解約したときに工事費の残債が一括請求されること(ドコモ光・ahamo光・DTI光・おてがる光)
- 解約金の金額(ドコモ光・ahamo光・ソフトバンク光)
- 移転などで利用を継続する場合、撤去工事費はかからないこと(NTT東日本・西日本)
- ソフトバンク光とDTI光は、移転したときの工事費残債の扱いを公式に書いています(下記)
ソフトバンク光とDTI光は、移転時の残債の扱いが公式に書かれています
ソフトバンク光のFAQには「移転前(引っ越し前)に請求していた工事費用(分割)は移転後(引っ越し後)も引き続き請求されます」と明記されています(2026年9月24日再確認)。つまり残債が消えるのでも、一括請求になるのでもなく、分割のまま引き継がれるという扱いです。移転時の新しい工事費と、移転前の分割分が両方請求されることも同じページに書かれています。
DTI光は料金ページで、工事費を分割で払っている途中に移転した場合を2つに分けて書いています(2026年9月24日確認)。NTT東日本・西日本の提供エリアが変わらない移転なら「現在お支払い中の分割工事費用は継続してご請求させていただき、移転先の工事費用につきましては一括での請求となります」。エリアが変わる移転なら「現在お支払い中の分割工事費用は分割支払分の残期間の合計額を一括請求させていただき、移転先の工事費用につきましては新規扱いとなるため、分割での請求となります」。
確認できなかったこと(重要)
- ドコモ光・ahamo光・おてがる光は、移転したときに工事費の分割残債がどうなるかを公式に書いていません。 書いているのは「解約したら一括請求」だけです。
- 移転なら解約金がかからないのか。 これも明記がありません。ドコモ光・ahamo光の重要事項説明書に「引越し先で継続してご利用になる場合、『移転』のお申込みが必要」とあり、移転=契約継続と読めますが、解約金が発生しないと書いた公式の文言は見つかりませんでした。
よその記事では「移転なら違約金も残債もかからない」と書かれていることがありますが、その根拠になる公式の記載は見つけられませんでした。公式に書いているソフトバンク光とDTI光の記載は、むしろ「残債は引き継がれる(消えない)」「エリアをまたぐと残りを一括請求」という内容です。契約中の会社に電話で確認してから判断してください。ここは推測で埋める場所ではありません。
2. 移転工事費(各社の公式記載)
ドコモ光/ahamo光(税込)
| 区分 | 戸建 | マンション |
|---|---|---|
| エリア内移転(東日本内・西日本内)派遣工事あり | 11,000円 | 11,000円 |
| エリア内移転 派遣工事なし | 3,300円 | 3,300円 |
| エリア間移転(東日本⇔西日本) | 22,000円 | 22,000円 |
これとは別に移転事務手数料 2,200円(税込)がかかります。ドコモ光電話を引っ越し先でも使う場合は、さらに工事料が別途発生すると明記されています。なお表の工事料について、ドコモは「該当エリアで発生する最大のインターネット工事料であり、実際の工事料は移転先の設備状況によって異なる場合があります」と断っています。NTT東日本エリアで移転先で10ギガを使う場合は、派遣工事ありで最大22,000円(税込)です。
DTI光(税込)
| 区分 | 金額 |
|---|---|
| 屋内配線を新設する場合 | 22,000円 |
| 屋内配線を新設しない場合 | 11,660円 |
| 無派遣の場合 | 3,300円 |
土日祝日の工事は別途3,300円(税込)が加算されます(NTT西日本地域で2026年7月1日〜11月30日に派遣工事で工事日が確定した受付分は無償、とDTIは案内しています)。またNTT東日本・西日本のエリアをまたぐ移転は、DTI光では「新規」の取り扱いになると公式に書かれています。移転扱いにならない点は要注意です。工事費を分割で払っている途中の移転の扱いは、第1章に書いたとおりです。
ソフトバンク光(税込)
| 区分 | 金額 |
|---|---|
| 派遣あり工事費 | 31,680円 |
| 派遣なし工事費 | 4,620円 |
2026年2月20日から「SoftBank 光 お引っ越し光工事費割」が始まっており、派遣ありは月額基本料金から1,320円×最大24か月、派遣なしは1,155円×最大4か月が割り引かれます。条件は「実施期間中に当社指定窓口から手続き」「手続き日から工事完了日が90日以内」「住所変更を伴う引っ越しであること」です。
おてがる光
移転工事費の公式記載を確認できませんでした。重要事項説明書には新規工事費の項目しかなく、移転の項目自体がありません。申し込む前に直接確認してください。
3. 解約して新規契約にすると、何がいくらかかるか
移転をやめて「解約+新規」にすると、次の4つが同時に発生します。
(1) 解約金(契約解除料)
| 事業者・区分 | 金額(税込) |
|---|---|
| ドコモ光 1ギガ 戸建 | 5,500円 |
| ドコモ光 1ギガ マンション | 4,180円 |
| ahamo光 1ギガ 戸建 | 4,950円 |
| ahamo光 1ギガ マンション | 3,630円 |
| ドコモ光(2022年6月30日以前の申込)戸建 | 14,300円 |
| ドコモ光(2022年6月30日以前の申込)マンション | 8,800円 |
2022年7月の法改正より前に申し込んだ契約は、解約金が2倍以上高いままです。自分の申込時期を先に確認してください。上限そのものの考え方は解約金の上限の記事にまとめています。
(2) 工事費の残債の一括請求
ドコモ光・ahamo光は「解約日の翌月に残債を一括でご請求」と明記しています。提供条件書には残債の計算式 (24 − 契約月数)÷ 24 × 工事費分割払い総額 も書かれていますが、これは2022年6月30日以前に申し込んだ契約(1ギガは2022年7月1日以降にプラン変更したもの)で、工事料金を36回を超える分割で払っている場合に限った式です。新規工事費は2026年6月1日以降の申込分から28,600円(税込)に上がっているため、契約から日が浅いほど残債は大きくなります。
(3) 新規の契約事務手数料
ドコモ光・ahamo光 4,950円(税込)/DTI光 3,300円(税込)/おてがる光 3,300円(税込)。事務手数料そのものの比較は事務手数料の記事にまとめています。
(4) 新規の工事費
ドコモ光・ahamo光は28,600円(税込)、DTI光の派遣工事は26,400円(税込)、ソフトバンク光の派遣ありは47,520円(税込・2026年6月1日の改定後)です。
つまり「解約+新規」は、解約金・残債・事務手数料・新規工事費の4つを同時に払う構造になります。移転工事費(ドコモ光ならエリア内11,000円+事務手数料2,200円)と比べると、差は小さくありません。
4. 移転なら撤去工事費はかからない(2026年から効いてくる)
ここは公式に明記されている、数少ない確実な差です。
NTT東日本・西日本は2026年4月1日の解約申込分から、解約時に派遣工事を行った場合の撤去工事費を有料化しました。
| NTT東日本(税込) | NTT西日本(税込) | |
|---|---|---|
| 戸建て | 13,200円(自社HP以外からの申込は2026年7月1日以降14,300円) | 20,900円(同 22,000円) |
| 集合住宅 | 11,000円(同 12,100円) | 14,300円(同 15,400円) |
そのうえで、東西とも撤去工事費が不要となるケースを列挙しており、そこに次が入っています。
移転・プラン変更などによりサービスのご利用を継続される場合
2026年4月より前は撤去が無料だったので、この差は存在しませんでした。有料化された分だけ、移転を選ぶ理由が増えたことになります。ただし費用が発生するのは「お客さまのご要望・物件都合により工事担当者が訪問する派遣工事を実施する場合に限り」と条件が付いており、無派遣なら無料です。
なお、この撤去工事費はNTT東西が公表しているもので、ドコモ光・DTI光・おてがる光・ソフトバンク光の各社がこれをどう扱うかは、各社の公式ページで確認できませんでした。
5. 移転できないことがある
- ドコモ光・ahamo光:「引越し先が未提供エリアの場合、ご利用することはできません。その場合、『ドコモ光/ahamo光』は『解約』となります」と重要事項説明書に明記されています。エリア外なら選択の余地なく解約扱いです。
- DTI光:エリア内でも「調査結果によっては、実際にはサービスを提供できない場合」があるとしています。前述のとおり東西をまたぐ移転は新規扱いです。
- ソフトバンク光:「提供エリアの設備状況により、SoftBank 光をご利用できない場合や、ご利用プラン、通信速度、各種オプションサービスが変更となる場合がございます」としています。また「SoftBank 光・10ギガ」を利用中の場合は引っ越しの手続き自体ができず、いまの回線を解約して新たに申し込むよう案内されています(FAQ)。
- ドコモ光の重要事項説明書には「引越しに際し、『移転』『解約』のお申出がなかった場合、お客さまの意思にかかわらず引越し元住所の設備撤去などを行う場合があります」ともあります。2026年9月版では、続けて「なお、設備撤去後も、『ドコモ光/ahamo光』の契約は継続となり月額利用料も継続して請求します」とも書かれています。黙って引っ越すのがいちばんまずいということです。
「マンションの配線方式が違うから移転できない」という説明もよく見かけますが、そう書いた公式の記載は見つけられませんでした。
6. いつ申し込むか
| 事業者 | 公式記載の目安 |
|---|---|
| ドコモ光・ahamo光 | 「移転先の工事日は、契約内容などの確認後、最短でもおおむね2週間〜1か月程度必要」 |
| ソフトバンク光 | 「引っ越しの1ヵ月から2ヵ月前にお手続きをお願いします」(FAQ) |
| NTT西日本(参考) | 「引越し先でネットが使えるようになるまでは2〜4週間ほど」 |
| DTI光 | 公表されていません |
引っ越しシーズンの混雑について明示的に注意書きをしているのはソフトバンク光だけでした。
引っ越しシーズン(2〜4月)はお手続きが混み合います。(工事希望日はご希望に添えない可能性がございます。)
新規で申し込む場合の開通日数は開通までの日数の記事に、事業者を変える場合の手続きは事業者変更と転用の記事にまとめています。
公式サイトで最新の移転条件を確認する
移転工事費・解約金・残債の扱いは予告なく変わります。本記事の内容は2026年9月24日時点で確認したものです。申し込みの前に、必ず公式サイトで最新の条件をご自身でご確認ください。
※上記は広告リンクです。リンク経由のお申し込みがあった場合、当サイトは広告主から成果報酬を受け取ることがあります。DTI光・ahamo光・GMOとくとくBB ドコモ光の報酬は、いずれも広告主にとって新規のお申し込みだけが対象です。また、DTI光=申込後のキャンセルや開通月当月の解約/ahamo光=同一世帯での複数申込や解約後の再開通/GMOとくとくBB ドコモ光=初月解約や、ドコモ光を利用中の方のプロバイダ変更、などの場合には報酬は発生しません(成果否認)。これらの報酬条件が、本文の評価や結論に影響することはありません。
まとめ
- 移転工事費はドコモ光・ahamo光でエリア内11,000円、無派遣3,300円、東西またぎ22,000円(すべて税込・そのエリアで発生する最大の額)。別に移転事務手数料2,200円
- ソフトバンク光は「移転前に請求していた工事費用(分割)は移転後も引き続き請求される」と公式に明記している。残債は消えず、分割のまま引き継がれる
- DTI光も、東西のエリア内の移転なら分割を引き続き請求、エリアをまたぐ移転なら残期間分を一括請求と公式に明記している
- ドコモ光・ahamo光・おてがる光は、移転したときの工事費残債と解約金の扱いを公表していない。 ここは契約中の会社に直接確認するしかない
- 「解約+新規」にすると、解約金・残債の一括請求・新規事務手数料・新規工事費の4つが同時に発生する
- NTT東西は「移転などで利用を継続する場合は撤去工事費が不要」と明記。2026年4月に撤去が有料化された分、移転の有利さが増した
- 引っ越し先がエリア外なら移転はできず解約になる。DTI光は東西をまたぐと新規扱い
- 申し込みは最低でも2週間〜1か月前。ソフトバンク光は1〜2か月前を推奨し、2〜4月の混雑を公式に注意している
確認した資料
- ドコモ光 お引越し(移転)のお手続き / 解約 / 工事料分割払い / 料金プラン
- ドコモ光・ahamo光 重要事項説明書(2026年9月版)、提供条件書「ドコモ光基本プラン」
- DTI光 ご利用料金(工事費用の分割支払中に移転をした場合) / ご注意事項 / DTI 引っ越しナビ
- おてがる光 重要事項説明書
- ソフトバンク光 引っ越しのお手続き / お引っ越し光工事費割 提供条件書 / 新規お申し込みで回線工事費割引キャンペーン / 解除料の改定について
- ソフトバンク光 FAQ「[SoftBank 光]今まで払っていた工事費用は移転後(引っ越し後)どうなりますか?」 https://www.softbank.jp/support/faq/view/19069 (移転後も分割工事費が継続請求される旨)
- ソフトバンク光 FAQ「引っ越しの手続き方法を教えてください。」 https://www.softbank.jp/support/faq/view/15121 (1〜2ヵ月前の手続き・10ギガは引っ越し手続き不可)
- NTT東日本 各種工事費の新設および改定について / 工事費(戸建て向け・集合住宅向け)
- NTT西日本 解約時に派遣工事を行った際の撤去工事費の新設について / お引越し手続き
いずれも2026年9月24日に再確認しました(初回の確認は2026年9月2日。ソフトバンク光のFAQ 19069は2026年9月5日に追加で確認)。
訂正履歴
- 2026年9月5日:公開時に「移転したときの工事費残債の扱いは、調べた5社のどこも公表していない」と書いていましたが、ソフトバンク光は公式FAQで「移転前(引っ越し前)に請求していた工事費用(分割)は移転後(引っ越し後)も引き続き請求されます」と明記していました。当サイトの確認漏れです。該当箇所(要点・第1章・まとめ)を訂正し、根拠のFAQを資料一覧に追加しました。残る4社(ドコモ光・ahamo光・DTI光・おてがる光)について公表が見つかっていない点は変わりません。
- 2026年9月24日:再確認の結果、次の点を訂正しました。①DTI光も料金ページで、工事費の分割支払中に移転した場合の扱い(東西のエリア内なら引き続き分割で請求、エリアをまたぐと残期間分を一括請求)を公表していました。「ソフトバンク光以外の4社は公表していない」としていた箇所(要点・第1章・まとめ)を訂正しました。②ドコモ光の提供条件書にある残債の計算式は、2022年6月30日以前に申し込んだ契約などで工事料金を36回を超える分割で払っている場合に限ったものでした(第3章)。③ソフトバンク光の新規の回線工事費(派遣あり)は2026年6月1日に47,520円へ改定されていました(第3章)。④おてがる光の新規の契約事務手数料は、現在の重要事項説明書では3,300円(税込)です(第3章)。⑤「SoftBank 光 お引っ越し光工事費割」の開始日は2026年2月20日でした(第2章)。⑥「SoftBank 光・10ギガ」利用中は、My SoftBankに限らず引っ越しの手続き自体ができない案内でした(第5章)。